• PROFILE【高木俊幸】フォトグラファー。1970年大阪生まれ。1990年大阪写真専門学校(現/ビジュア ルアーツ大阪)卒業後、東京へ移住。2年間のカメラマンアシスタント勤務の後 、1993年よりフリーランスフォトグラファーとして独立。ポートレート、エディトリアル、コマーシャル、ルポルタージ ュ e t c 、幅広く活動している。現在、神奈川県茅ケ崎市在住。
    「Our Landscape」は、日本の原子力発電所とその周辺を巡ることを目的とし、2008年5月からフィールドワー ク(撮影)を始めたセルフプロジェクト。 2013年10月までの間に、新潟県柏崎刈羽、愛媛県伊方、 鹿児島県川内、 佐賀県玄海、静岡県浜岡、 青森県大間、青森県東通、青森県六ヶ所、北海道泊、福井県高浜、福井県大飯、福井県美浜、福井県敦賀、福井県白木、茨城県大洗、茨城県東海村、宮城県女川、島根県鹿島、山口県上関、石川県志賀の計20ヶ所に加え、2011/3/11に起こった福島第一原子力発電所の事故以降、原発から20~30キロの周辺エリア(飯舘、浪江、葛尾、南相馬、川内、田村、etc…)のルポを行っている。 フィールドワークは現在も継続中。
    「Report / FUKUSHIMA」は、2011年3月の福島第一原発事故以降、福島県にて様々な人々へのインタビュー&フォトルポルタージュプロジェクトを立ち上げ、 2013年8月に創刊第一弾としてタブロイド判フリーペーパーを発行。
    公式サイト/http://www.toshiyukitakagi.com
  • PHOTO:高木俊幸
    TEXT・EDIT:近藤ヒデノリ
  • 日本に現在18個所、54基(世界第3位)ある原子力発電所。そのほとんどは、列島をぐるりと囲む海岸線沿いにある。のどかで美しい風景のなかに忽然と建つ原発。当然ながら、その周囲には原発に対して複雑な思いを抱えて生きる人がいる。写真家、高木俊幸が2008年から個人的に撮り続けてきた日本各地の原発のある風景とそこに生きる人のフォトレポート。第一回は、福島県双葉郡浪江町に住んでいた元福島県職員の今野秀則さん。
  • 「私は県に勤めてたからよく知っていますが、
    原発を誘致すると電源三法で
    原発立地交付金が入ってきます。
    ウラン燃料に課税する県税もありますから、
    県の税収入のかなりの部分を占めていたし、
    それによって道路や体育館、
    公共施設がどんどん立派になっている。」
  • 「要するに、麻薬なんですよね。
    効率性とか経済的な潤いだとか、地域振興だとか、
    その点だけを見れば、原発はいいんです。
    だから、正面切って反対運動って起きてないし、
    地域経済や雇用状況は原発に依存する体質に変わりきってた。
    ましてや、これまでは「安全神話」が原子力ムラを中心に
    形成されてきたわけで…。」
  • 「福島第一と第二が出来るときには、 目立った反対運動は起きなかったんです。
    原発が何たるものかわからないうちにできちゃった。
    私も気持ち的には嫌だなという感じはあったけど、
    反対運動はしなかった。今は反省してます。
    やっぱり反対運動やっておくべきだった。」
  • 「我々の立場から言わせれば、何不自由ない生活をしていたわけです。
    田舎ですから収入は低いですけど、豊かさはお金で計れるものじゃない。

    地域の人々がお互いにやりとりして、なおかつ自然の中で生活できるわけですから。
    そういう地域の人々の絆や伝統、文化、民俗、歴史…
    一切合切が打ち壊されちゃったわけです、この原発事故で。
    それが私にとっては一番悔しいことですよね。」
  • 「私はふるさとに帰りたいんですよ。
    ふるさとに帰って、前と同じように地域の人たちと
    地域作りをしながら、年中行事をしながら生活したいです。
    それが満ち足りた過不足のない生活だったから。」
  • 「私は再び同じ事故が必ず起きると思いますよ。
    対策を取りもしないで再稼働するっていう政治、
    日本の、国のありようが、おかしいと思いますね。
    考えられますか?私ら原発避難民から言わせれば、
    言語道断もいいところですよ。」
  • 「単に経済の問題じゃないっていうことをわかってほしい。
    いったん事故が起これば、何もかもが吹き飛ぶっていうことなんです。
    そこに生活してきた地域の住民が長いこと紡いできた
    歴史なり文化、民俗、慣習、年中行事、地域の親和性ある雰囲気…
    その一切が消されてしまう。

    そのことに対する哀惜っていうのか、残念というのか…
    それを是非分かってほしんですよ。こんな思いはね、
    味わってほしくない、日本全国どこの人にもね。」
  • 「いずれ原発は止まるだろうと思っています。
    だってそうでしょう、どこにも核のゴミを持って行きようがないんだから。
    だれも引き受けないですよ、日本全国探したって。」
  • PROFILE【高木俊幸】フォトグラファー。1970年大阪生まれ。1990年大阪写真専門学校(現/ビジュア ルアーツ大阪)卒業後、東京へ移住。2年間のカメラマンアシスタント勤務の後 、1993年よりフリーランスフォトグラファーとして独立。ポートレート、エディトリアル、コマーシャル、ルポルタージ ュ e t c 、幅広く活動している。現在、神奈川県茅ケ崎市在住。
    「Our Landscape」は、日本の原子力発電所とその周辺を巡ることを目的とし、2008年5月からフィールドワー ク(撮影)を始めたセルフプロジェクト。 2013年10月までの間に、新潟県柏崎刈羽、愛媛県伊方、 鹿児島県川内、 佐賀県玄海、静岡県浜岡、 青森県大間、青森県東通、青森県六ヶ所、北海道泊、福井県高浜、福井県大飯、福井県美浜、福井県敦賀、福井県白木、茨城県大洗、茨城県東海村、宮城県女川、島根県鹿島、山口県上関、石川県志賀の計20ヶ所に加え、2011/3/11に起こった福島第一原子力発電所の事故以降、原発から20~30キロの周辺エリア(飯舘、浪江、葛尾、南相馬、川内、田村、etc…)のルポを行っている。 フィールドワークは現在も継続中。
    「Report / FUKUSHIMA」は、2011年3月の福島第一原発事故以降、福島県にて様々な人々へのインタビュー&フォトルポルタージュプロジェクトを立ち上げ、 2013年8月に創刊第一弾としてタブロイド判フリーペーパーを発行。
    公式サイト/http://www.toshiyukitakagi.com
  • PHOTO:高木俊幸
    TEXT・EDIT:近藤ヒデノリ